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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

好古園(姫路城)







好古園(こうこえん)は兵庫県姫路市、姫路城のすぐそばにある平成4年に開園した日本庭園。発掘調査で確認された姫路城西屋敷の地割りを生かして、趣の異なる9つの庭園で構成されています。季節により様々な花が咲きますが、特に紅葉の美しさに定評があります。
好古園と一緒に観賞することが多い姫路城も、桜をメインに簡単に紹介します。

園内地図(クリックすると大きくなります)


細かく区分けされた庭園。西洋風の有料庭園では比較的よく見るタイプですが、日本庭園では珍しいので新鮮に感じます。また、地割りという歴史的な裏付けもあります。
ここでは地図やパンフレットの順路通りに紹介します。

出入口


こちらで入場料を払って園内に入ります。桜や紅葉最盛期は行列ができることもあります

樹林帯


園内入ってすぐ広がる散歩道。季節により様々な表情を見せます

屋敷門と、活水軒(かっすいけん)の前庭


樹林帯を抜けると、御屋敷の庭の入口となる立派な屋敷門が見えてきます。何かを期待させる構成が良いです。門の中に入ると、綺麗に整備された活水軒前の前庭が広がります

活水軒


御屋敷の庭を眺めながら食事ができるレストラン。食事を取らない場合でも、順路は活水軒の内部に通じているので中に入ります

渡り廊下


活水軒と潮音斎(ちょうおんさい)を結ぶ、総檜造りの渡り廊下。中央が曲面になっています。
左右に水の流れや池が見え、特に順路向かって左の滝状になっている水の流れが美しいです

潮音斎


池側に大きく開かれた縁台(観庭台)がある建物。中秋の名月を眺めるのに最適な方向に向けて開けているそうです。池の奥にある樹林や雄滝、水の流れが美しいです

御屋敷の庭


池泉回遊式の、区切られた9つの中で最大の庭。池に架かる石橋や、池を泳ぐ錦鯉、周囲にある姫山樹林を借景にした日本庭園らしい景色が見所です

茶の庭


茶室の双樹庵を中心にした茶庭。双樹庵で抹茶を頼めば、屋敷内から奥側の茶庭を眺めることができます

流れの平庭


ゆったりした曲線を描く水の流れが見所の庭。明るく開かれた雰囲気です。
四阿があり、水の流れを見ながら休憩もできます

夏木の庭


夏木(落葉樹)が多く植えられた庭。季節により様々な花が咲きます。特に水の流れの上にある藤棚で咲くフジの花が見所。
また、落葉期には四阿付近から、姫路城の天守閣がはっきり見ます(姫路城のすぐそばにありますが、園内から姫路城の天守閣が見える場所は限られています)。

松の庭


瀬戸内海で見られるアカマツ林をイメージした庭。池を海に見立てています。
出口には立派な長屋門があります

花の庭


江戸時代に親しまれた山野草や、様々な花木や雑木が植えられた庭。中央には四阿があります

築山池泉の庭


池泉回遊式の典型的な日本庭園。御屋敷の庭とテーマが被っていますが、こちらはのんびりした雰囲気です。茅葺き屋根の四阿がポイントになっています

竹の庭


多くの種類の竹が植えられた庭。中央には和傘をイメージした四阿があります

築地塀(ついじへい)


好古園の影の主役ともいえる築地塀。各庭を仕切る役目の他、余計なものを隠す背景としても役に立っています

姫路城

姫路城天守閣と、「は」の門下の通称「将軍坂」


国宝であり世界文化遺産でもある姫路城。天守閣の美しさもさることながら、歴史ある城全体の遺構も興味深いです。好古園から歩いて5分の距離にあるので、初めての訪問ならば、セットで観賞するのがよいでしょう

姫路城の桜


姫路城そのものも十分美しいのですが、桜の時期ともなれば、また違った美しさを観賞できます。写真を見れば一目瞭然。晴天の日に一度は訪ねてみたい名所です。
一方、姫路城とは異なり、好古園自体は桜の本数は少なめです

場所 兵庫県姫路市本町
交通 ■公共交通機関
JR「姫路」駅北口からバス「姫路城大手門前」下車、徒歩約5分。
JR「姫路」駅北口から徒歩約25分(姫路城は徒歩20分)。
山陽電気鉄道「山陽姫路」駅から徒歩約20分(姫路城は徒歩15分)。
■車
播但連絡自動車道「砥堀ランプ」より約15分。
山陽自動車道「姫路東IC」より約20分。
山陽自動車道「姫路西IC」より約25分。
阪神高速・姫路バイパス「中地ランプ」より約15分。
駐車場あり(有料)
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL http://www.himeji-machishin.jp/ryokka/kokoen/
My impression
マニア度 娯楽度 混雑度 交通の便 総合満足度
★☆ ★★ ★★☆ ★★☆ ★★★☆
日本庭園としては珍しい、細かく各テーマに分かれた庭園。様々な表情の庭が観賞できます。庭園の歴史は比較的浅いですが、その分明るく歩きやすい、一般市民や観光客を意識した現代的な造園になっています。一方で、歴史ある姫路城との調和を図るため、各庭の区切りを築地塀とし、立派な門を造るなど雰囲気作りも考えられています。
細かく庭が区切られていると、行き止まりが多くなり周遊性が犠牲になりがちですが、順路を設定し各庭を一方通行で通過するように歩けるため、狭苦しさを感じることは少ないです。
各テーマごとに変わる庭の変化が面白いですが、一部の庭はテーマにこだわるあまり、やや微妙な印象になってしまっているのは否めません。
大きな見所は紅葉で、非常に美しい景色を見ることができます。一方で、桜の季節はあまりおすすめできません、好古園自体は桜の本数が多くなく、また姫路城の混雑の余波で庭園が混雑しやすいからです。庭園巡りが純粋に好きなら、ツツジが咲く晩春から新緑や苔が美しい梅雨の時期が庭園が綺麗なうえ、静かに楽しめて良いと思います。
管理状態は良好、管理者の印象も良好です。
公共交通機関利用の場合、姫路駅から頻繁にバスが出ているためかなり良いです。また、公式にはアナウンスされていませんが、健脚ならば姫路駅や山陽姫路駅から徒歩で行くことも十分可能です。広い歩道を歩いて行けるので、それほど苦ではありません。
車の場合、広い駐車場があり閑散期は問題ありませんが、桜や行楽シーズンは周辺道路や駐車場がとても混雑するので早出を。特に桜の時期は公共交通機関の利用を推奨します。
注目の花(色付き文字は特におすすめ)
■好古園
初夏:ツツジ、新緑
初夏〜梅雨:苔
晩秋:紅葉
■姫路城
春:サクラ
晩秋:紅葉

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