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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

加茂荘花鳥園

静岡県掛川市にある花鳥園。雰囲気のある和風建築の前で咲くハナショウブの群生で知られています。また、温室に咲くアジサイや球根ベコニアなどの花も見所があります。
なお、名前に花鳥園とありますが、現在は一部の鳥をのぞき、フクロウなどの猛禽類は姉妹園である富士花鳥園に移されています。

園内の地図(クリックすると拡大します)

加茂荘花鳥園マップ
園内は特に順路はありません。ここでは受付から直進して花菖蒲園を観賞後、庄屋屋敷、展示温室の順で主な見どころを紹介します。

入口

加茂荘花鳥園入口
駐車場すぐ前にある和風の建物が入口で、中にある受付を済ませて園に入ります。

花菖蒲園1

加茂荘花鳥園 花菖蒲園1
加茂荘花鳥園 花菖蒲園1
受付を出てすぐの花菖蒲園前半エリアは、花のボリュームよりも、水辺や水鳥、スイレンなどの他の花と一緒に楽しめるような構成になっています。伸び伸びとした雰囲気です。
このエリアのハナショウブは鉢植えになっており、自然感はやや損なわれるものの、入れ替え等の管理で長期間美しい花を観賞できるようになっています。

花菖蒲園 ハナショウブと水鳥

花菖蒲園 ハナショウブと水鳥
運が良ければ、ハナショウブと水鳥(写真はマガモ)の共演が見られます。

花菖蒲園2

加茂荘花鳥園 花菖蒲園2
加茂荘花鳥園 花菖蒲園2
花菖蒲園の中間にあるエリアは庄屋屋敷の入り口が近く、それを背景にした景色が楽しめます。
また、中間から奥のエリアのハナショウブは地植えになっています。開花最盛期は限られるものの、より自然な雰囲気のハナショウブが楽しめます。

花菖蒲園3

加茂荘花鳥園 花菖蒲園3
加茂荘花鳥園 花菖蒲園3
花菖蒲園奥側エリアはハナショウブの植栽密度が濃く、花のボリュームが楽しめます。時期が合えばアジサイとの共演が見られるのも魅力です。
振り返ると、受付のある和風建物を背景にした花菖蒲園が見渡せます。

あじさいロード

あじさいロード
道の左右に植えられたアジサイや草花を観賞できます。ただ、アジサイとハナショウブは花期が微妙にずれているため、アジサイ最盛期にはハナショウブが見頃過ぎになっていることが多いです。
なお、将来的にはハナショウブよりも管理の楽なアジサイの株数を増やしていきたいとのことです。

庄屋屋敷 加茂荘

庄屋屋敷 加茂荘
門をくぐった先にある前庭と、庄屋屋敷の入口。
桃山時代から続く庄屋であった加茂家の邸宅で、園の名もここからきています。

庄屋屋敷内部

加茂荘花鳥園 庄屋屋敷内部
加茂荘花鳥園 庄屋屋敷のお座敷
建物内部では昔の生活が垣間見える土間や調度品、つるし雛(期間限定)などの飾り物を鑑賞できます。また、雰囲気の良さからドラマの撮影や、アニメの舞台として利用されたことがあるそうです。

庄屋屋敷中庭と、桑源亭(そうげんてい)

庄屋屋敷 中庭
桑源亭から中庭を見る
中庭には池と中島があり、縁側や窓から観賞することができます。
また、中庭を望む一角はお茶処(繁忙期の期間営業)となっており、営業中は軽飲食を頼め、営業外は休憩施設として利用することができます。

庄屋屋敷内部のダイヤモンドリリー

庄屋屋敷内部のダイヤモンドリリー
晩秋のダイヤモンドリリー展の際は展示会場にもなります。

展示温室(アジサイ)

加茂荘花鳥園 展示温室(アジサイ)
加茂荘花鳥園 展示温室(アジサイ)
展示温室はかなり広いです。見所はアジサイ。オリジナル品種で飾られた丘(アジサイヒルズ)がよく目立ちます。花の育種に積極的なのも加茂荘花鳥園の特徴です。

展示温室(その他の花)

加茂荘花鳥園 ストレプトカーパス
加茂荘花鳥園 ダイヤモンドリリー展
アジサイ以外の花も多数展示されています。球根ベコニアやストレプトカーパス、フクシア、ブーゲンビレア、晩秋にはダイヤモンドリリーなどが咲き競います。
休憩所や軽食が食べられるコーナー(期間営業)もあるのでゆっくりするとよいでしょう。

施設の概要

場所
静岡県掛川市原里110

交通手段
■公共交通機関
天竜浜名湖鉄道「原田」駅より徒歩約20分。
■車
新東名高速道路「森掛川IC」より約5分
駐車場あり(無料)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://kamoltd.co.jp/

My impression

庭園デザイン★★★
全国各所にある花菖蒲園とは異なり、歴史のある建物と一緒に楽しめるのが良い点です。また、周囲が樹木に囲まれているため余計なものが見えず、環境的にも優れています。
また、温室のガラス屋根が庭園側からは見えないように配慮されています。雰囲気づくりとしては大事な要素だと思います。

植物充実度★★★★
ハナショウブやアジサイの数・品種数はかなりのものです。また、季節によっては球根ベゴニアやストレプトカーパス、ダイヤモンドリリーなどの鉢花も楽しめます。園独自で作出した品種もあり興味深いです。植物の管理状態は良好。

娯楽度★★★
ハナショウブの開花最盛期はそれほど花に興味がない方でも楽しめます。それ以外の季節は派手な景色は望めず、ゆったり散策するのに向いています。
以前は、フクロウをはじめとした猛禽類のショーが楽しめましたが、現在はコールダックなど一部の鳥をのぞいて富士花鳥園に移転しています。その分、純粋に花を楽しめる施設となっています。

混雑度★★★
ハナショウブの開花最盛期は混雑しますが、園内はオープンスペースもあり、それほど混雑感は強くありません。それ以外の季節は余裕もって楽しめるでしょう。

交通の便★★★
公共交通機関利用の場合、ローカル鉄道の駅が最寄りであり、さらに駅からやや距離があります。ただ、駅から歩けない距離ではないので悪くはありません。
車の場合、広い無料駐車場があり、大きな問題はないでしょう。

総合満足度★★★★
ハナショウブの群生で有名ですが、ただの花菖蒲園とは異なり、雰囲気のある建物と一緒に楽しめるのが大きな魅力です。また、広い展示温室の花はアジサイをはじめボリュームがあり満足度が高いです。
各種花の育種に積極的に取り組んでおり、オリジナル品種が見られるのも興味深いです。これらは期間限定で販売もされています。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
ハナショウブ(例年5月下旬〜6月上旬)

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