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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

花菜ガーデン

神奈川県の中央、関東平野の平坦な敷地にある県立のガーデン。読みは「かなガーデン」です。バラを中心としたガーデン部分以外に、「農」に力を入れていることが大きな特徴です。

園内の地図(クリックすると大きくなります)

花菜ガーデンのマップ
園内は花が楽しめる「フラワーゾーン」と農業体験ができる「アグリゾーン」、さまざまなイベントやギャラリーなどが開かれる「めぐみの研究棟ゾーン」に分かれています。花の観賞をメインに考えるならフラワーゾーンが主な見所となります。

めぐみの研究棟ゾーン

花菜ガーデンのめぐみの研究ゾーン
入り口を入るとすぐ、展示ギャラリーや図書館などが入る、めぐみの研究棟ゾーンの建物の間を通り抜けます。ガーデンではあまり見られない、屋外アウトレットモールの通路のような雰囲気です。
なお、ショップやレストランは有料ゾーン外にありますが、再入園も可能なので気軽に訪れることができます。

フラワーゾーン

センターフィールド

センターフィールドセンターフィールド
建物の間を抜けると大きな芝生の広場があります。各種イベントが行われることもあります。


バラ園・薔薇の轍(わだち)

バラが咲く花菜ガーデンの花のメインエリア。オールドローズ、モダンローズ、イングリッシュローズなど系統・分類ごとにテーマに分かれた歴史園となっているのが特徴です。

野生種とその交配種、オールドローズ

花菜ガーデンのバラ
花菜ガーデンのバラ
バラの園芸種の元となった野生種や、その交配種を集めたエリアと、自然交雑種や中国のオールドローズなどを集めたエリア。欧米の花というイメージのあるバラですが、実際はアジア原産であることが理解できると思います。一季咲き種が多く、見頃は主に初夏です。

モダンローズと、ミニバラとミニツルバラ

花菜ガーデンのバラ
花菜ガーデンのバラ
近代のバラを展示しています。美しい花姿と四季咲き性の強さが特徴。「ピース」など有名な品種も多いです。生垣で隔てた奥側にはミニバラのコーナーもあります。都会の庭でも使いやすいサイズのミニバラの植栽は、品種選びの参考になると思います。

クライミングとシュラブ・ローズ

花菜ガーデンのバラ
花菜ガーデンのバラ
一度に大量に咲かせるツルバラがメインに植栽されたエリア。パーゴラに咲くツルバラと、パーゴラから見下ろすツルバラの波打つ姿が見所です。見頃は初夏のみですが、その分量感があります。

イングリッシュローズ

花菜ガーデンのバラ
オールドローズとモダンローズの良いところを生かしたイングリッシュローズを集めたエリア。


風ぐるま迷図(かざぐるまのめいず)


迷路状に通路が作られその間にクレマチスや、香りのあるバラが植えられています。

その他の花々



バラを引き立てる下草の宿根草や一年草の他、ハナモモやマグノリア、アジサイ、サルスベリ、ムクゲなどの花木、ヘメロカリスやサルビア、リコリス、チューリップなどが咲きます。
各開花期は公式サイトで確認ください。特にアジサイやサルスベリ、リコリスは見所があります。

紅葉重ねのほとり


カエデ類など紅葉する樹木が植えられています。紅葉する秋はもちろん、春の新緑も楽しめます。

尾根見の池

花菜ガーデンの尾根見の池
花菜ガーデンの尾根見の池
水生植物を周囲に植えた自然風の池。デッキからは名の通り、山々の尾根が池越しに眺められます。
初夏から秋にかけて咲く温帯スイレンが見所です。

チャペックの家

花菜ガーデンのチャペックの家
園芸マニア必読の本「園芸家12カ月」の著者であり、花菜ガーデンのシンボルでもある、文学者カレル・チャペック氏の家と庭を再現しているそうです。

アイスチューリップ


チャペックの家前では初冬にアイスチューリップ(冬に咲くように開花調整したチューリップ)が観賞できます。
見頃は毎年12月中旬頃ですが、年により異なるのでSNS等をチェックしておきましょう。

みはらしデッキ

花菜ガーデンのみはらしデッキ
みはらしデッキから見た大山と富士山
突き出たデッキの上から、天気が良い日には富士山や大山をはじめとした山々が眺められます。
ここ以外にもオープンスペースが多く、全体的に開放感のある施設になっています。

アグリゾーン

花菜ガルテンと、触れん土ファーム


ここからはさまざまな野菜を栽培しているアグリゾーン。花菜ガルテンは小スペースでできる貸農園的なイメージの菜園。触れん土ファームは様々な野菜が栽培される体験型の農場です。
なお、春にはチューリップが咲きます。

田んぼたんぼ


稲刈り体験などができる田んぼ。秋には稲が黄金色に実ります。

キッズビレッジと、キッズファーム


子供の農業体験といった、情操教育的な部分もあるガーデンになっています。

施設の概要

場所
神奈川県平塚市寺田縄496−1

交通手段
■公共交通機関
JR「平塚」駅よりバスで約25分。
小田急「秦野」駅よりバスで約20分。
いずれも「平塚養護学校前」下車、徒歩約5分。
■車
小田原厚木道路「平塚IC」から約5分。
駐車場あり(有料)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.kana-garden.com/

My impression

庭園デザイン★★★★
バラ園は、バラ改良の歴史に沿って植栽されている庭園デザイン。このような手法は、似たような種類や品種が固まってしまうきらいがありますが、バラの充実度が高くあまり気になりません。野生種やオールドローズは自然風なデザイン、モダンローズは整形なデザイン、つるばらはボリューム感を出すデザインといった形に、上手に品種のイメージで分けています。
バラ園以外は全体的に公園的な開放感のあるデザインが多め。植物観賞という点でいえばやや物足りなさがあるものの、散策や憩いという面でいえば優れています。

植物充実度★★★★
バラが非常に充実しており、新旧様々な品種が見られます。他にも各季節バランスよく様々な花木や草花が見られます。特に、他ではあまり見られない品種が多いリコリス類は見所。
植物の管理状態は良好です。

娯楽度★★★★
初夏バラの最盛期は誰にでも勧められるほど美しい景色が楽しめます。それ以外の季節は、のんびり散策するのに向いています。
研究棟ゾーンを中心に各種イベントや展示が行われていることが多いので、公式サイトのイベントカレンダーを確認の上、出かけるとよいでしょう。また、農業体験というコンセプトもあるので、そうしたことに共感できる方にはおもしろい施設だと思います。
園内にあるレストランは園のテーマに合わせた野菜やハーブを生かしたメニューとなっています。また、近隣にあるJAの農産物直売所は農産物の購入、アイスクリームやジェラート等が楽しめます。

混雑度★★★★
初夏バラの最盛期はとても混雑します。バラ最盛期にゆっくり観賞したいなら、朝方や平日に訪問するなど工夫しましょう。初夏バラ以外では大型連休中もやや混雑します。それ以外の季節は混雑することは少ないです。
施設内はやや広く、オープンスペースも多いので、混雑時でもゆっくりできる場所はあります。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、駅から遠いですが、2つの駅からバスの便が頻繁にあるので困ることは少ないでしょう。
車の場合、広めの駐車場があり、高速道路のインターからも近いので、初夏バラ最盛期等の混雑時以外は困ることは少ないでしょう。

総合満足度★★★★
花の観賞を主としてみた場合、実質バラ園といえるほどデザインされたガーデン部分はバラがメインになっています。バラのボリュームは十分で管理状態も良好。遠方からの訪問であれば初夏バラの開花期が良いと思います。バラの季節以外に出掛けるのであれば、開放感が大きな魅力なので、出来れば晴れの日を狙って訪れるとよいでしょう。
ベンチや休憩スペースが数多く配置されているのは好印象。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
初夏(バラ、クレマチス、スイレン、季節の花)

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