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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

養浩館庭園

養浩館庭園(ようこうかんていえん)は福井県福井市にある日本庭園。福井藩主松平家の別邸で、江戸の初期から中期の間に造られました。庭園は池を中心として、数寄屋造りの屋敷や林、築山などを巡りながら観賞できる回遊式林泉庭園となっています。また、大名庭園の中では珍しく特別な制限なしで屋敷内部に入れて、ゆっくり庭園の景色を眺めることができるのも特徴です。
ここでは東門から入り屋敷内を観賞してから、時計回りに池の周囲を巡るルートで紹介します。

屋敷


池に浮かぶように建てられた数寄屋造りの屋敷。庭園を巡る前にまず池の反対側にある屋敷入口から靴を脱いで中に入ります。

櫛形ノ御間


屋敷入口からまっすぐ進むと櫛形ノ御間(くしがたのおま)。池に面した連窓が櫛を連想させることからついた名です。池に一番張り出した間で、窓のそばに座って池を見ると、まるで船から庭園を観賞しているような雰囲気を味わえます。

屋敷内部と、屋敷から見る池の景色



畳や縁台に座りながら気軽に屋敷から景色が眺められるのが、この庭園の大きな特徴。池の対面にある築山や林が美しいです。

遣水


屋敷を出て南側に向かうと屋敷に沿うように流れる遣水があります。昔は上水を取り入れたもっと広い流れだったそうで、それにちなんで江戸時代には「御泉水屋敷」と呼ばれていました。
今は地下水をくみ上げた小さな流れになっています。注目は護岸に御泉水屋敷時代のような砂浜(砂利汀)が再現されていることで、優しげな雰囲気があります。

屋敷外南側の洲浜


屋敷外南側からは砂利州浜と飛石を歩いて、景石越しの大きな池を眺められます。

自然石の石橋


遣水の流れに架かる自然石の大きな石橋。
段差がそこそこあるので渡るときは足元に注意しましょう。

清廉


池に突き出したように建てられた総ケヤキ造りの小亭で、休憩や庭園鑑賞に用いられたとされています。池の添景としても大きなポイントになっています。

池から見る屋敷



石組や池越しの屋敷の景色は養浩館庭園の大きな見所です。屋敷と池が近いので反射や水影が観賞できます。

園西側の林と、園北側の苔


西側の林には落葉樹が多く新緑や紅葉時は楽しめます。
また、北側の林のモミジや地被の苔も美しいです。

施設の概要

場所
福井県福井市宝永3丁目11−36

交通手段
■公共交通機関
JR「福井駅」から徒歩約15分。
■車
北陸自動車道「福井IC」より約15分。
駐車場あり(無料)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.fukuisan.jp/ja/yokokan/

My impression

庭園デザイン★★★
大きな池と、それに飛び出すように建てられた屋敷が見所です。多くの日本庭園ではこういった屋敷は立ち入り禁止だったり、貸し出しの有料施設だったりしますが、気軽に入れてのんびりできる所が良いです。往時の殿様と同じ景色を眺められるのは庭園を観賞するうえでも大事なことだと思います。

植物充実度★★
ツツジやモミジなど日本庭園お馴染みの植物が多いですが、刈り込み物やマツ類が少な目で全体的に自然風の雰囲気があります。管理状態は良好。

娯楽度★★
これといった花の見所はありませんが、特に新緑の季節は見所が多いと思います。基本的には、静かに観賞するのに向いています。

混雑度★★
紅葉最盛期以外はそれほど混雑しませんが、園内は狭い目でオープンスペースもあまりありません。庭部分にはベンチ等がほとんどないので休憩は屋敷内で。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、駅から歩いてもそれほど遠くなく良いです。また、駅からバスの便もあります。詳しくは公式ウエブサイトで確認を。
車利用の場合、東門側に小さめの庭園臨時駐車場がありますが、郷土資料館の大きな駐車場を利用するのも良いでしょう。

総合満足度★★★★
特に制限なく屋敷内部に入れてゆっくり観賞できる貴重な大名庭園。庭園の規模は小さいものの、屋敷内の観賞を含めると満足感は高いです。自然風の植栽が多めなのも個人的には好み。
ひとつ残念なのは、池から屋敷側を見た時に周辺のビルが視界に入ってしまうことです。仕方ない部分もありますが、屋敷とビルの距離が近いので多少配慮が欲しい気がします。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
初夏(新緑)
晩秋(紅葉)

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