花色:
学名:Geranium
別名:ゲラニューム
科名:フウロソウ科
分類:多年草(落葉〜常緑)
原産地:東アジアなど
大きさ:背丈10〜30cm、横幅20〜60cm(ほふく性)
主な見所:花(4〜10月)※初夏が最盛期
園芸でフウロソウと呼ばれる花にはたくさんの種類があります。店頭によく出回っているのは欧米で改良・交雑された品種が多いです。また、外国産の原種で葉がやや大きく赤紫の花が咲くアケボノフウロやグンナイフウロもよく見かけます。日本産の原種では赤紫や白い小花が咲くゲンノショウコなどがありますが、店頭で見かける機会は多くありません。
いずれも可憐な印象で、どことなく野草の雰囲気をもっています。種類や品種によって冬に常緑を保つものと葉を落とすものがあります。
日当たりと水はけのよい場所に植えます。できれば、乾きやすく風通しのよい環境で育ててあげたいです。植え込む際は砂などを混ぜ土壌改良をしっかり行います。鉢植えの場合はハンキングや吊鉢などを活用します。夏の暑さは苦手なのでなるべく涼しい場所に置き、西日は避けます。
株が込みすぎると蒸れるので、伸びすぎたら春や秋に株分けします。
洋風や自然風の庭によく合います。シンプルな花の品種であれば和風の庭にも合わせられます。
株は横に広がるのでその点を考えて植えましょう。小型種以外は地植えをおすすめします。欧米の自然風のガーデンではよく植えられますが、夏に蒸し暑い日本の暖地では気軽に使えないのが残念。使う場合は丈夫な品種を選択し、条件の良い場所に植栽します。
花壇の前景にアケボノフウロを植えた例。横に広がるので前面に植えるのに良いです。また、風通しを好む性質とも合っています。
一方で、フウロソウの多くは、やや立ち上がるように育つので、中景や後景には背丈があるものを選択したいです。
欧米から様々な改良品種が入ってきていますが、アケボノフウロに代表される丈夫な在来種も人気があります。とにかく種類が多く、改良交雑も盛んなため品種の同定は難しいです。
○アケボノフウロ(G. sanguineum)
花色は赤紫。株は横に広がるように伸びます。様々な改良品種の元親になっています。
性質は丈夫で暑さに強く、温暖地でも比較的育てやすいです。
「ストリアツム」
アケボノフウロの変種のピンク花。
「ビルウォーリス」
ピレナイカム(G. pyrenaicum)系の改良品種。紫の花が咲き、花の大きさはかなり小さめです。株は横に広がりやすい。
性質は比較的丈夫で野性味があります。暑さに強い。
「ビーバンズバラエティ」
マクロリズム(G. macrorrhizum)の改良品種。花茎が立ち上がるのでよく目立ちます。赤紫の花が咲き、花の大きさは小さめ。株はこんもり広がります。白花種もあります。
性質は比較的丈夫です。
○ゲンノショウコ(G. thunbergii)
日本原産。フウロソウの仲間では珍しい夏〜秋咲き。小さな赤紫や白の花が咲きます。株は横に広がりやすい。一般的な花店で出回ることは少なく、山野草店などで求めます。薬草としてよく知られており、その優れた薬効から「現の証拠」と名が付きました。
比較的丈夫で育てやすい。
○ヒメフウロ(Erodium)
近縁種。和名のヒメフウロは異なる花ですが、園芸で単にヒメフウロといえば本種を指すことが多いです。写真の交雑種のピンク花「ロゼウム」がよく出回っています。小さな株に、小さな花を咲かせます。
可憐な姿ですが、比較的丈夫な花です。
オススメ度:★★★
ナチュラルガーデンなどで自然味を出したいときにぜひ植えたい花。最近は暑さに強い種類や改良種もよく出回るようになってきましたが、やはり温暖地では使いづらいのが残念。