花色:
学名:Chaenomeles speciosa
科名:バラ科
分類:落葉低木
原産地:東アジア
大きさ:背丈1.0〜2.0m(3m)、横幅1.2〜2.5m、葉3〜7cm前後(互生)
主な見所:花(2〜4月)※最盛期は4月
まだ寒い冬のころからポツポツと咲き始め、春になると枝いっぱいに花をつけてとても見事です。
花色は赤やピンク、白で、咲き分け種もあります。葉は小さめの卵形〜楕円形〜へら型で変化があります。束になって葉をつけるのが特徴。また、托葉をつける場合があります。成長がとても早く当年枝の伸びもよいですが、背丈は大きくなっても3m程度で高くなりません。新梢や枝先につくトゲは非常に鋭いので注意がいります。
初夏以降に病害虫のせいで葉が汚れたり落葉することが多いです。
日当たりと水はけ、水もちのよい場所を好みます。花木では珍しく日当たりのやや悪い場所でもそれなりに花をつけます。
育てることは容易な花木ですが、病害虫の被害にあうことが多く、美しく育てるためには管理が必要です。ただ、葉がほとんど枯れてしまうような被害を受けた場合でも、株自体が枯れることはまれです。そういった意味ではバラと性質がよく似ています。
和風庭園の花木としてよく用いられます。洋風や自然風の庭にはあまり合いません。
満開時はとても美しいです。ただ、病害虫が発生しやすいうえ開花期以外の観賞価値はあまりなく、樹形も暴れやすいので植栽場所はよく考慮します。
トゲが鋭いので、通路のそばなど人が触れやすい場所は植栽を避けます。
咲き分け種など、いくつかの品種が出回っています。
「東洋錦(とうようにしき)」
赤〜ピンク、白の咲き分け種で、有名品種です。
「大黒天」:暗赤色の花が咲きます。
「黒光」:暗赤色の花が咲きます。
白花種と、ピンク花種
○クサボケ(C. japonica)
日本にも自生する地を這うように育つボケの近縁種で、まれにグランドカバーや境裁に使われています。花色は赤〜オレンジ。葉はボケに比べ小さめ。
葉のアップ。葉の形は変化が大きいです。枝に束になるように葉がつくのが特徴。
また、基部に大きめの托葉(たくよう)がつくことがあります。
ボケのトゲ。とても鋭いので注意しましょう。
特に、大株の剪定時はバラ用の手袋が欲しいです。
こんもり育った株と、込み合った枝の様子。
特に、大株になると樹形を整えることが難しくなります。
ボケの実。ゆがんだ丸型で硬い。柄がないため枝に引っ付いているように見えます。
クサボケの実。ボケに比べるとやや小さめ。
短い枝につく冬の花芽。分かりやすいので剪定時に戸惑うことはないでしょう。
オススメ度:★★
花は美しいけれど、トゲなどバラ同様いろいろな意味で好みの分かれる花木。
枝が入り組んだような独特な樹形をどう生かすかも悩ましいです。