花色:
学名:Paeonia suffruticosa
科名:ボタン科
分類:落葉低木
原産地:東アジア(園芸品種)
大きさ:背丈0.7〜2.0m、横幅0.6〜2.5m、葉12〜25cm前後
主な見所:花(12〜1月・4〜5月)※寒咲き種のみ2季咲き
原種は中国原産ですが、もはや園芸品種と言っていいほど長い品種改良の歴史があり、花の大きさや豪華さ、花形の美しさから花の王と呼ばれています。
春に咲く品種と冬と春の2季咲きの品種が出回っていますが、一般的な品種はほとんど春咲き種です。花は一重から万重、花色も赤〜紫、白、他種との交雑で生まれた黄色花など豊富に揃います。葉は羽状複葉、株は枝が少なめの株立ち状になります。
一般的に販売される苗はシャクヤクの台木に接木したものなので、植え込み時に注意が必要です。
苗はほとんどがシャクヤクの台木なので最初はボタン自体の根がありません。そこで接木部分(株の基部を見れば接いだ部分がわかります)から5cm程度深植えしてボタン本体の根を出させます。
植え付けは夏の強い西日の当たらない日当たりよい場所を選び、風通しもある程度確保します。暑さにはやや弱く、なるべく涼しい場所に植えたいです。肥沃で水はけと通気性のよい土を好むので、腐葉土や砂をよく混ぜた上で高植え気味にします。適した場所がない場合は周りより一段高い花壇を作りそこに植え込むといいでしょう。
育成条件を満たしてやりさえすれば丈夫に育つので最初が肝心です。
和風庭園の花木としてよく合います。洋風や自然風の庭ではボタンよりもシャクヤクを選択したほうが無難です。
こんもりした樹形になるので根じめや石添えなどに適しています。花時は豪華な印象を味わえますが花期が短いのが残念です。ただ、樹形はきちんと管理すればまとまりやすく、開花期以外でも庭によく調和します。
鉢植えの場合、毎年咲かせるにはきちんとした管理が必要になるので、庭がある場合はなるべく地植えにしましょう。
石添えにしたボタン。
ボタンのサイズに合わせると、それなりの大きさの石が必要です。
様々な品種が出回ります。きちんと品種名を同定していないケースもあるようなので、ラベルだけでなく、花色を見て決めるのがベターです(開花株を購入して、秋になってから植えつけるのがベスト)。
黄色系は趣がやや異なります。
「島錦」
絞り咲きの有名品種。赤と白の二色咲きがよく目立ちます。
環境などによって咲き方に変化があるので、綺麗に二色が出ないこともあります。
「金晃」
黄色咲き品種。黄系の品種は花期がやや遅めで、香りがあり、花首が弱くうなだれたように咲く品種が多いのが特徴です。また、花が株の低い位置で咲くことが多いです。
だだ、黄色系の品種は別系統でも作出されており、性質が異なるものもあります。
ボタンの葉。通常は緑色ですが、品種や環境によってはやや赤みがかることがあります。
葉裏は灰緑色です。
群馬県の龍真寺で見かけた立派なボタン。手前の赤いボタンは背丈を超えています。
オススメ度:★★★
花はあっという間に終わってしまいますが、とても豪華で咲きそろうと壮観です。樹形もまとまりやすいので条件の良い場所があれば植えてみるのもよいと思います。
ただし、放任では美しく咲かないので施肥や芽かき等をしっかり行える人向けの花木です。