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花と緑のエッセイ

花と緑のエッセイ

庭園や植物園、フラワーパーク等で見られる生き物について

庭園や植物園、フラワーパークには多くの花や植物がありますが、その花や植物を目当てに様々な生き物が集まります。なかには池や温室を利用して生き物を飼育しているケースもあったりします。
ここでは、様々な施設を観賞した中で、気になった生き物たちについて紹介してみます。

アサギマダラ

アサギマダラ
アサギマダラ(横から)
羽の模様が美しい蝶で、長距離を移動(渡り)することでも知られています。
非常に人気が高い蝶ですが、羽が美しいことのほかに、ゆっくり飛ぶうえ、人を恐れず逃げることが少ないといった面があり、それが観賞や写真の被写体として優れているという面も大きいです。
秋に咲くフジバカマ類によく集まるため、フジバカマを多く植栽していると自然とアサギマダラが飛来して、それが名物となっている植物園もあったりします。

■アサギマダラが見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
山形市野草園(山形)
赤城自然園(群馬)

オオゴマダラ

花に集まるオオゴマダラ
オオゴマダラのサナギと、羽化した成虫
羽の模様が美しい蝶で、名前の通り白黒のまだら模様となっています。
日本最大級の蝶で、ゆっくりふわふわと飛ぶことから、観賞や写真の被写体として人気があります。
成虫も美しいですが、写真2枚目のようにサナギも黄金色になり興味深いです。また、人にもよると思いますが、幼虫も鮮やかな色をしていて綺麗と思う方もいると思います(写真は自重…)。
各地の温室等で見られますが、やはり本場沖縄の熱帯ドリームセンターの展示は、幼虫やサナギ、成虫がほぼ常に観察でき非常に興味深いです。

■オオゴマダラが見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
・群馬県立ぐんま昆虫の森(群馬)
熱帯ドリームセンター(沖縄)

アゲハチョウ

キアゲハ
キアゲハ(横)
大型の蝶で様々な種類があります。日本では写真の黄色みが強いキアゲハと、白めのナミアゲハがよく見られます。花の蜜を吸いに来るため花の多いガーデンでよく見られます。
花とセットでみられることもあり、観賞や写真の被写体として人気があります。一方で、どこでも見られるということもあり、これといった名所はありません。

カメ

三渓園のカメ
甲羅干しするアカミミガメ
甲羅をもつ爬虫類。亀は万年というように長寿のため縁起が良いことでも知られています。
庭園や植物園の池によく見られます。もともと飼育のために導入されたのか、あるいは外的な要因で勝手に増えたかは分かりませんが、写真2枚目のような外来種のアカミミガメが多いことから、許可なく野外に放出された個体も多いと思われます。
姿が動きがユーモラスです。また、甲羅干しのために石組みの上に出てくることから、風景の一部となっているような庭園もあります。

■カメ類が多く見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
清澄庭園(東京)
三渓園(神奈川)

スッポン

スッポン
カメの仲間。滋養強壮に効くとされ食用にされています。
庭園では他のカメほどポピュラーではなく、たまに見かける程度です。

■スッポン類が見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
水前寺成趣園(熊本)

セミ(の羽化)

セミの羽化
鳴き声で有名な昆虫。もちろん成虫も見られますが、植物園での注目は幼虫の羽化。
自然園や野草園といった自然豊かな環境であれば、夏の晴れた日の夕方に、比較的容易に羽化しようとする幼虫を見つけることができます。ただ、これから時間をかけて夜中に完全に羽化するので、羽化するまでのすべてを観察することは難しいです。

トンボ

アカアカネの仲間
ハグロトンボ
日本人にとってなじみの深い昆虫のトンボ。様々な種類がありますが、庭園や植物園では写真1枚目のアカアカネの仲間や、写真2枚目のハグロトンボなどがよく観賞できます。
水辺があればどこでも見られますが、トンボが多いことは環境の多様性に優れていることの証でもあり、自然と共生しているような花の名所で特に観賞しやすいです。

■トンボ類が多く見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
赤城自然園(群馬)
水元公園(東京)

ニシキゴイ(錦鯉)


日本庭園の池によく見られるコイの改良種。名前の通り錦の織物のような色鮮やかな模様の体色が特徴で、近年は海外でも人気が高いです。
ニシキゴイ自体の美しさも大事ですが、池の水が澄んでいるかも観賞の上では大事な要素になります。
様々な庭園でニシキゴイが観賞できますが、個体が美しいことで有名なのは栗林公園のニシキゴイ(写真1枚目)です。数も質も非常に高いことがわかると思います。
庭園の景色と一緒に楽しむことが目的であれば、好古園(写真2枚目)も個人的にお勧めです。

ニシキゴイ(錦鯉)が見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
徳川園(愛知)
好古園(兵庫)
栗林公園(香川)

コイ(鯉)

コイ(鯉)
日本庭園の池によく見られるコイ。写真は一部ニシキゴイが混じっていますが、ニシキゴイとは異なり改良されていない体色が黒っぽい個体のことです。
コイは丈夫で環境適応力が非常に高く、汚れた水でも飼育が可能で低温にも耐えるといった、屋外の池で放任で育てるのに適している魚です。そのため日本庭園以外でも、公園を含めた様々な施設で飼育されているのを見ることができます。
エサをあげることができる施設も多いです。

コイ(鯉)が見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
養浩館庭園(福井)

シルバーアロワナ

熱帯ドリームセンターのシルバーアロワナ

アマゾン川原産の大型魚。観賞魚としても有名です。
沖縄の熱帯ドリームセンターでは、なんと屋外の池でシルバーアロワナが飼育されています。しかもなんかたくさんいますね…。実は自然繁殖に成功しているとのことです!
日本全国広しといえど、アロワナが噛むなんていう注意書き看板があるのはここだけではないでしょうか?少なくとも非常に珍しいと思います。
なお、さすがに冬は熱帯スイレン用に池の水を加温しているとのことです。沖縄の冬は本土民のイメージよりかは寒いですからね。

■シルバーアロワナが屋外の池で見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
熱帯ドリームセンター(沖縄)

エゾリス

エゾリス
北海道に生息するリス。体色は茶褐色から茶色で地味め、腹部や胸部は白色です。
写真が見づらくてすいません。警戒心が強く、とにかく動き回るので写真を撮ることが難しいです。上手に写真を撮りたいなら望遠レンズのついた一眼レフが欲しいところ。
北海道のガーデンにはドングリやクルミ、マツボックリなどが豊富にあり、秋頃になるとそれを狙ってエゾリスがよく現れます。冬の貯蔵用とのこと。ガーデンの中には、エサ置場を作ってそこに園内で採取した実を置いている所もあるようです。
北国らしさを感じられる瞬間ですね。

■エゾリスが見られることで有名な庭園や植物園、フラワーパーク等
・真鍋庭園(北海道)